出雲人の私は、6月頃になると決まって、山間の道ばたの鮮やかな緑色が目につき始め、一気に郷愁に駆られます。クマザサの葉です。この葉っぱで巻いた笹巻き(ちまき)を作って食べたくなるのです。これは出雲地方独自のごちそうです。
今年も娘と笹を採りにでかけ、ちまきを作りました。祖母と母が上手に巻く様子を見ながら、まねごとをしたことを懐かしく思い出し、夜中までかかって二百本近く巻き上げました。
できたばかりのちまきにきな粉をつけて食べ、今年もふるさとの思いに浸り満足しました。
昔、冷蔵庫もなかった頃、風通しの良いところで吊されていたちまきの光景を思い出し、家のパイプハンガーに吊して一瞬のオブジェとして楽しみました。(その後は冷凍室へ・・)
年を重ねたせいか、小さい頃遊んだ田舎の風景や秋祭りのごちそうなどふるさとに思いをはせることが増えました。
ここ石見地方では、この時期、笹巻きでなく、かしわ餅が作られます。これはあんこも入っていて冷めてもおいしい。
石見がふるさとの方は、今の時期かしわ餅を思い出すのでしょう。どれも大事にしたいふるさとのごちそうですね。
事務 UME