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院長のひとり言~高齢者ワクチン接種、いよいよ開始~

2021年5月15日|カテゴリー「院長のひとり言
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新型コロナウイルスワクチン(コロナワクチン)の一般高齢者への接種が、今月末から大田市でもいよいよ開始となります。


変異株の出現により、大都市ばかりではなく、島根県においても感染者が増えつつあるなかで、ワクチン接種に対する感染制御への期待は高まるばかりです。政府は7月末までに高齢者へのワクチン接種を終わらせる、そのために一日100万回接種を成し遂げる、とかけ声ばかりはよいのですが、現場で実際の接種にあたる立場としては無理難題に思えます。


そもそも、今回のファイザー社のコロナワクチン(コミナティ)は、核酸ワクチンという今までにない画期的な方法で作られたワクチンで、有効性はとても優れていますが、非常に壊れやすく、使用期限が短いという短所があります。マイナス75度という超低温でも6ヶ月しか保存ができず、一旦冷蔵庫で解凍すると解凍してからは5日間しか使用できません。実際に使用するときは、ワクチン液を生理食塩水で希釈しますが、希釈をしてしまうと、希釈してから6時間以内に使用しなくてはなりません。さらに、1個のワクチンの入ったバイアルから6人に接種するように設定されており、6人単位でまとめて接種予約をとらないとワクチンが余り、貴重なワクチンを破棄してしまうことになります。


インフルエンザワクチンは10度以下の冷蔵で製造から1年間使用でき、1バイアルは2人分で、余った時でも24時間は使用できることに比べると非常に使い勝手の悪いワクチンです。さらに、インフルエンザワクチンは大人では1回接種で効果が期待できますが、コロナワクチンは21日以上の間隔で速やかに2回目の接種をしないと確実な効果が得られません。


以上のことから、無駄なくワクチン接種をするためには、ワクチンの予約から接種までの計画を綿密に立てることに膨大な事務労力を費やさなくてはならず、当院でも今から頭を悩ませています。


しかし、ワクチンを速やかにできるたけ多くの国民に接種することは、コロナ禍から脱却するためには最も重要なことです。当院スタッフ全員が一致協力して、何とか早く、しかも安全に当院に通院されている高齢者の方々へのワクチン2回接種を成し遂げたいと考えておりますので、何卒ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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