今年も、春バラ鑑賞会の案内が「ふれあいジョウラクローズガーデン」から届きました。忙しい合間を縫って、先週、やっと見に行くことができました。
何年か前に、知人の紹介でこのバラ園を訪問してから毎年行っていますが、オーナーさんとも親しくなり、バラに関するいろいろな興味深いお話をたくさん聞かせていただいています。そのお陰で、バラのことは全く無知で、栽培をしたことのない私も、バラの奥深さを知り、すっかりバラのファンになってしました。当院の患者さんにもバラの愛好家がおられますが、バラの魅力に取り憑かれるのも納得ができます。
個人所有のバラ園とは思えぬスケールの大きさとバラの種類の多さ、そして手入れの細やかさにはいつも感動しますが、私が最も心を打たれるのは、オーナーさんがこのバラ園を始められた動機です。もともと、自宅のまわりに広い空き地があり、定年退職をして何か有効活用できないかと思案されたそうです。その結果、それまでの職業の知識、技術を活かして地域貢献も兼ねて、人々がふれ合えるバラ園を作ろうと思い立たれました。そして、どうせ作るなら、障害のある人でも車椅子で見学できる、巡回通路のあるバラ園にすることにされました。
バラ園が完成してからは、一般開放はせず、近隣の福祉施設に案内状を出し、障害のある方を優先して招かれていました。障害を抱えた方々が、ゆっくり安心してバラを楽しむことができるためです。職員やボランティアの方に車椅子を押してもらいながら、高齢者の方々が色とりどりのバラの近くにいって心地よい香りを楽しみながら、笑顔で鑑賞されたそうです。
現在は、会員制となり、一般の方々も会員になれば春と秋の二回、オーナーさんが丹精を込めて育てられた何種類ものバラを楽しむことができます。このバラ園の花々が格別に美しいのは、たくさんの方々の笑顔や賞賛の声をバラが感じているからかもしれません。