新型コロナウイルスのワクチン接種の効果は時間とともに低下します。そのため、現時点では、まだ3回目の接種が終わっていない人もある中で、4回目の接種が早い人では今月から始まりことになりました。
接種対象者は、3回目の接種が終えてから原則5ヶ月を経過した60歳以上の人、または18歳から59歳の基礎疾患がある人です。そのため、医療従事者や介護職員など、優先接種対象者であった人でも60歳未満は接種できないことになりました。3回目までの接種とは異なり、感染予防ではなく重症化予防に軸足を移した対策になったということのようです。
確かに、感染力の強いオミクロン株にウイルスが変異してからは、ワクチンを3回接種していても感染する、いわゆるブレークスルー感染が多数あり、ワクチンの感染予防効果が期待したほどではないことが明らかになっています。もちろん、重症化リスクのある人の重症化を防ぐ効果はあるようですが、感染リスクの高い若い人たちに接種しても感染拡大の効果は少ないと考えられのでしょう。諸外国の4回目接種の対象者をみても様々で、上の表のように、欧州医薬品庁など、4回目接種の早急な実施は不要との見解を示している国もあります。
このように4回目接種の効果は限定的で、その効果も半年程度しか持続しないとされており、情報を得れば得るほど、今後、対象となる方でも接種することをためらう人も多くなると思われます。
政府は、対象者が7回接種できるだけのワクチンを確保する方針のようですが、新型コロナウイルスワクチンの住民接種事業の関連予算は、2020~2021年度で計約5兆1900億円、東京五輪3回分超に相当する金額になることが発表されており、費用対効果の面からも4回目接種を機にワクチン事業そのものを再考すべきときにきているのではないでしょうか。